マウスピース治療とは
睡眠時無呼吸症候群の患者さんのうち、
- 症状が軽度の方
- いびき音がひどい方
- CPAP療法が装着できない方
などにおいては、マウスピースによる治療が可能な場合があります。
治療用のマウスピース(スリープスプリント、ナイトガード)は、睡眠中にお口の中に装着します。マウスピースを装着すると、下顎が前へ出て舌の位置が上がり、気道が広がることで、呼吸がしやすくなります。
これによって
- いびき音が抑えられる
- 口呼吸を防止できる
- 歯ぎしりを回避できる
などの効果が期待できます。
日本ではいびき症に対しての保険適用はありません。そのため、睡眠時無呼吸の病態に対してのみ保険が適用されます。保険診療をご希望の場合には、医科からの紹介状が必要となりますので、内科・耳鼻咽喉科・呼吸器科・スリープクリニック等の主治医の先生にご相談ください。
マウスピース治療の費用について
※ 健康保険3割負担適用の場合の目安
保険適用 | 10,000〜20,000円 |
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保険適用外 | 60,000〜130,000円 |
睡眠時無呼吸とは
働き盛りの40〜50代に多い病気
睡眠中にいびきや無呼吸を何度も繰り返す睡眠障害を、睡眠時無呼吸症候群(SAS;Sleep Apnea Syndrome)といいます。
代表的な症状
- いびき
- 頭痛
- 眠気
この3大症状が一般的です。
睡眠中の大きな「いびき」、そして息が止まる「無呼吸状態」を一晩に何度も繰り返します。
睡眠時間はしっかりと取れているにもかかわらず、朝起きたときに激しい頭痛やだるさを感じたら、睡眠時無呼吸を疑います。とくに、日中の極度な眠気は、自覚症状としては最も多いです。
睡眠時無呼吸を放置するリスク
眠気によって日中のパフォーマンスが下がるだけではなく、居眠り運転などの交通事故を誘発してしまうこの病気は社会問題にもなりました。
また歯科的な観点では、いびきや睡眠時無呼吸によって口の中が乾燥しやすくなり、虫歯・歯周病・口臭等の口腔疾患のリスクも高くなります。
さらに睡眠時無呼吸は心臓へ大きな負担をかけることから、突然死へ至る可能性が高いこともわかっています。これまで様々な合併症リスクが報告されています。
睡眠時無呼吸と深い関連が報告されている病気
- 不整脈
- メタボリックシンドローム
- 脳梗塞
- 高血圧
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 突然死
- うつ病
- ADHD
- 不妊症
- 更年期障害
- 認知症
など、以上のように多くの合併症を引き起こす病気とされています。